2013年2月5日火曜日

ケリーマクゴニガルの「スタンフォードの自分を変える教室」を読み終えた。
 「意志力」について、心理学、神経学、医学の最新の研究成果を土台にして、実験に裏付けされた内容なので、そういう意味では実に説得力がある。
 どうすれば、様々な誘惑に負けずに、強い意志を持って自己コントロールできるかという方法が、細かく示されている。
 ただ、私の場合は、今の生活やこれからの生活に大した意志力は必要なさそうだし、いろんなよからぬ誘惑に惑わされるということもほとんどなく、自分自身を変えるという必要も感じてないので 、単にこの本に興味を持って読んだだけであったが、よく考えてみれば教育面で応用できる事柄が非常に多いことに気がついた。
 授業中に生徒が私語をしていて「静かにしなさい」と注意したら、「うるさい」と言い返す生徒がいた時の対応では、例えば30年も前なら、その生徒のところへ行ってほっぺたの一つでもたたいたかかも知れない。しかし、体罰云々がやかましく言われるようになった15~20年前くらいから、たたく代わりに大声で怒鳴りつけるようになっていた。しかし、そのうち「言葉の暴力」とか言う言葉も聞かれるようになり、大声で叱りつけようものなら、反発する生徒もでてくるようになってきた。
 私は、自分でも不思議だったのは、この本を読んだおかげで、ほんとうならカッとして怒鳴ってしまっていたような場面で、冷静に「そういう風な言いかたは良くないねえ」と言うようになっていた。。考えようによっては甘やかしすぎにも見える。もし、自分の子供なら声も出ないほど叱りつけるに違いないが、いくら自分の生徒といえども他人は他人、そこは、冷静に指導するのがある意味、人に体する礼儀でもあろうと考えるようになった。 
 本には10分待つというのがあったが、10秒待っただけで役に立ったと思う。
 行動をおこす前に10秒待つ(10秒ルールとでも言うと覚えやすい)と、かなり感情を抑えて理性的に対応できるものだと実感した。
 また、自習させている時に、隣の生徒と話をしたり居眠りをしていると、これまでは、「静にしなさい、居眠りせずにちゃんと勉強しろ」というようなことしか言ってなかったのに、最近「それが、今、自分がやるべき最善の事柄か?」と問いただすようになっていた。もっとも、そんな難しい日本語がわかるくらいだったら、静かな教室で隣とおしゃべりするようなアホな真似はしないでしょうけどね。